賃貸物件の退去時期や、心機一転の模様替えシーズンになると、私がいたリフォームの現場でも必ずと言っていいほど相談されるのが「ウッドカーペットの処分」についてです。敷くときはクルクルと広げるだけで、あんなに手軽に和室を洋室に変えられたのに、いざ捨てるとなると、その「重さ」と「長さ」に途方に暮れてしまうんですよね。特に6畳サイズともなると、重量は20kgから30kgにもなり、丸めた状態でも長さが2メートル60センチを超えてきます。こうなると、一般的なマンションのエレベーターには乗らないし、軽自動車にも積めないという、物理的な詰み状態に陥ることが珍しくありません。私自身、畳屋として15年、その後の工務店勤務で10年、数え切れないほどの床材と格闘してきましたが、この「長尺物」の扱いにくさは横綱級だと断言できます。今、検索窓に「ウッドカーペット 廃棄」や「解体 ノコギリ」と打ち込んで、解決策を探しているあなたの「どうしよう…」という焦り、痛いほどよくわかります。この記事では、現場で培った知識と経験をフル動員して、自治体の回収ルールの落とし穴から、女性でも安全にできる解体テクニックまで、プロの知恵をわかりやすく噛み砕いてお話しします。
- 自治体ごとの粗大ごみ手数料の相場と長さ制限という意外な落とし穴
- ニトリやホームセンターでの引き取り可否と持ち込みのリアルな実情
- 高額になりがちな不用品回収業者の相場とトラブルを避ける選び方
- ノコギリを使った自力解体で燃えるゴミに出すための具体的全手順
ウッドカーペットの廃棄にかかる費用と捨て方
まずは、感情論抜きにして、最も現実的で多くの人が選ぶべき「捨て方」の選択肢を整理していきましょう。とにかく費用を安く抑えたいなら自治体の粗大ごみ一択ですが、実はウッドカーペットに関しては「お金を払えば持っていってくれる」とは限らないのが一番の厄介なところなんです。それぞれの方法にかかる費用、労力、そしてリスクを天秤にかけて、ご自身の今の状況(体力、車の有無、退去までの日数)に最も合うものを選んでくださいね。
6畳などサイズ別の粗大ごみ処理手数料

基本中の基本である自治体の粗大ごみ回収ですが、ウッドカーペットの場合はサイズによって手数料が変動することがほとんどです。私が現場で見てきた感覚や調査データをもとに、一般的な相場と仕組みをお伝えしますね。
多くの自治体では、「畳数(広さ)」や「重量」で区分されており、小さなラグ感覚で申し込むと痛い目を見ます。以下に主要な自治体の例をまとめました。
| 自治体名 | サイズ区分 | 収集手数料(目安) | 持込手数料(目安) |
|---|---|---|---|
| 東京都練馬区 | 6畳未満 | 900円 | 500円 |
| 東京都練馬区 | 6畳以上 | 2,300円 | 1,200円 |
| 東京都新宿区 | 6畳以上 | 1,300円 | – |
| 大阪府大阪市 | 規定なし | 400円〜1,000円 | – |
例えば東京都練馬区の例を見てください。6畳未満なら900円ですが、6畳以上になると2,300円と倍以上の金額に跳ね上がります。これは単純に、物が大きすぎて作業員さん一人では安全に運べないからなんですね。労働安全衛生の観点からも、重量物は2人体制での収集が必要になったり、パッカー車ではなく平ボディのトラックを手配したりする必要があるため、行政側のコストも上がるわけです。
申し込みの流れとしては、電話やインターネットで収集の予約をし、コンビニなどで「粗大ごみ処理券(シール)」を購入して貼り付け、指定日の朝に玄関先や集積所に出すのが一般的です。しかし、引っ越しシーズンの3月や4月は予約が殺到し、「回収に来てくれるのは1ヶ月先」なんてこともザラにあります。退去日が迫っている場合は、このタイムラグが命取りになるので注意が必要です。
申し込む前に必ずメジャーで正確なサイズ(縦×横)を測っておきましょう。「だいたい6畳」で申し込んで、実際の寸法が申請より大きかった場合、収集してくれずに「取り残される」という最悪の事態もあり得ます。
ニトリやホームセンターの引き取り実情
「買ったお店なら引き取ってくれるはず」「大手のニトリならなんとかしてくれるだろう」と期待して検索される方が非常に多いのですが、ここには大きな誤解と厳しい現実があります。
結論からハッキリ言いますと、ニトリではウッドカーペットの引き取り処分を行っていません。
ニトリには「家具引取サービス(1回4,400円)」というものがありますが、これはベッドやソファなどの「大型家具」を配送で届ける際に、同等の家具を引き取るサービスです。残念ながらカーペット類はこの対象外となっており、たとえ新しくウッドカーペットを買ったとしても、古いものを引き取ってはくれません。もちろん、店舗に直接持ち込んでも断られてしまうので、重い思いをして運んだのに無駄足だった…なんてことにならないよう注意してください。
同様にで、カインズやその他のホームセンターなどでも基本的にはウッドカーペットのひきとりは行っておりません。(例外的に島忠ホームズは一部商品の新品購入時に同等・同数の不用品を無料引き取り(大型家具配送便を利用する場合の交換回収については店舗により異なるため要確認)。)
自治体で回収不可となる長さ制限の壁

ここが今回の記事で一番お伝えしたいことです。
実は、「粗大ごみ処理券を貼ってお金も払ったのに、長すぎて回収拒否される」という自治体が、特に都心部を中心に結構あるんです。
例えば、東京都中央区では「180cm以下」、新宿区や名古屋市の一部では「210cm以下」に切断しないと収集してくれません。これは意地悪で言っているわけではなく、収集車(パッカー車)の構造上の問題です。一般的なゴミ収集車は、後ろからゴミを回転板で巻き込んで圧縮しますが、長い木の板やカーペットの芯が入ると、この回転板に挟まって機械を壊してしまう恐れがあるんです。
ウッドカーペットは、6畳用(江戸間)で丸めた時の長さが約260cmあります。つまり、これらの「長さ制限」がある自治体にお住まいの方は、有料の粗大ごみに出すためだけに、結局ノコギリで切断作業をしなければならないという、なんとも理不尽なジレンマに直面することになります。
(出典:東京都中央区『粗大ごみ品目・手数料一覧』)
自治体のホームページに「切断できない場合は処理業者を紹介します」と書かれていることがありますが、その紹介された業者の料金は、自治体の粗大ごみ手数料(数百円〜千円程度)とは比べ物にならないほど高額(数千円〜)になるケースがほとんどです。
不用品回収業者に依頼する費用の相場
「切るのも無理、運ぶのも無理、時間もない!」「2階から階段で下ろすなんて絶対無理!」という方は、民間の不用品回収業者に頼るのが最終手段にして最強のソリューションです。特にエレベーターなしのマンション高層階にお住まいの方や、力仕事に自信のない高齢者・女性の方には、お金で解決するこの方法が一番安全で確実です。
ただし、その費用は行政サービスとは比較にならないほど高くなります。ウッドカーペット単体での回収相場は以下の通りです。
- 6畳サイズ:6,000円 〜 9,000円程度
- 8畳サイズ:8,000円 〜 12,000円程度
「えっ、たった1枚捨てるのに1万円も?」と驚かれるかもしれませんが、これには作業員の人件費(通常2名)、トラックの燃料費・車両費、そして業者自身が支払う産業廃棄物としての処分費が含まれています。「軽トラ積み放題パック 15,000円〜」などを利用して、他の家具や家電と一緒にまとめて処分するなら割安感が出ますが、カーペット1枚のためだけに呼ぶのはコストパフォーマンスが悪いです。
【危険】街中をスピーカーで「こちらは廃品回収車です。無料で回収します」と流しているトラックは絶対に呼び止めてはいけません。荷物を積み込んだ後に「回収は無料だが、積み込み料は別だ」などと言って数万円を請求されるトラブルが消費者センターに多数寄せられています。
DIY床材・ウッドカーペットの専門店【ELEMENTS】リサイクルショップでの買取と譲渡
「表面はまだキレイだし、誰か使ってくれるんじゃないか?」「売ればお金になるかも」と思うその気持ち、痛いほどわかります。しかし、残念ながらリサイクルショップにおけるウッドカーペットの買取事情は、極めて厳しいのが現実です。
理由はシンプルで、「衛生面」と「サイズ加工」の2点に尽きます。まず、床に敷くものは直接足で触れるため、目に見えなくても皮脂汚れ、ダニ、カビが付着しているリスクが高いと判断されます。中古の寝具や下着が売れないのと似た感覚ですね。次に、多くのユーザーは部屋の柱や形に合わせて、ウッドカーペットを一部カットしたり加工したりして使っています。オーダーメイドのスーツと同じで、他人の部屋にピッタリ合うサイズの中古品なんて、需要がほとんどないのです。
セカンドストリートやハードオフ、トレジャーファクトリーなどの大手リサイクルショップでも、「未使用・未開封品」以外は買取不可、あるいは逆に処分費用を請求されるケースがほとんどです。
唯一の希望があるとすれば、地域密着型掲示板の「ジモティー」などを活用することでしょう。ここで「0円(無料)で譲ります。ただし、自宅まで取りに来てくれる人限定」という条件で募集をかければ、DIY素材として欲しがっている人が引き取ってくれる可能性があります。これなら搬出の手間もコストも相手持ちにできますが、運搬できる大きな車を持った相手が見つかるまで、気長に待つ必要があります。
解体してウッドカーペットを廃棄する手順

「お金をかけたくない」「自治体の回収日まで待てない」「長さ制限で切らなきゃいけない」…様々な事情で行き着く先は、いよいよDIY魂の見せ所、「自力解体」です。ただし、相手はただのカーペットではなく、硬い「木材」の塊です。甘く見ると怪我をします。私が現場で実践している、安全かつ効率的な解体テクニックをステップバイステップで伝授します。
燃えるゴミに出せる切断サイズと袋詰め
解体して一般ごみ(可燃ごみ・燃えるごみ)として出す場合、まずはご自身の住む自治体が定めている「サイズ基準」を厳密に確認しましょう。これを守らないと、せっかく苦労して切っても収集車が持って行ってくれません。
- 横浜市など:最大の辺が50cm未満であること
- 名古屋市など:30cm角(一辺30cm)以下であること
- その他の地域:指定ごみ袋に入り、口がしっかり縛れること
このサイズに収まるように細かく切断し、指定のごみ袋に入れます。この時、切断した木材は角が鋭利になっていることが多く、そのまま袋に入れるとビニールを突き破ってしまいます。収集員さんが怪我をしないよう、また袋が破けてゴミが散乱しないよう、新聞紙や不要な布で角を包んだり、米袋のような丈夫な袋に入れたりしてから指定袋に入れるのが、DIYerとしてのマナーであり鉄則です。
DIY床材・ウッドカーペットの専門店【ELEMENTS】女性も扱いやすいノコギリなどの道具
「私、女性なんですが切れますか?」「DIYなんてしたことないんですが…」とよく聞かれますが、結論から言うと「道具選びさえ間違えなければ可能」です。逆に言うと、100円ショップのノコギリや、工作用の貧弱なカッターで挑むと、途中で心が折れるどころか、刃が折れて怪我をするリスクがあります。
私が現場経験からおすすめする、ウッドカーペット解体用の「三種の神器」はこちらです。
| 道具 | 推奨タイプ | 選定理由・機能 |
|---|---|---|
| ノコギリ | ゼットソー(万能目) | 縦・横・斜め、どの方向でも切れる万能タイプ。MDFや合板に使われている硬い接着剤にも負けず、ザクザク切れます。替え刃式なら切れ味が落ちても安心。 |
| ハサミ | 万能ハサミ(金切鋏) | 裏面の厚手生地や、薄い木材ならこれでいけます。文具用ハサミは指が痛くなる上にすぐ壊れるので絶対NGです。 |
| カッター | 大型カッター(L型) | 板の継ぎ目を切るのに使います。刃は必ず新しいものに交換しておきましょう。切れ味は安全性に直結します。 |
繊維方向に沿ってカッターで切るコツ
解体作業はいきなりハードな切断から入るのではなく、比較的簡単な「縦切り」から始めましょう。ウッドカーペットの構造をよく見ると、幅5cmくらいの板が並んでいて、裏面の布で繋がっているだけですよね。この板と板の継ぎ目(溝)に沿って切るのは、実はとても簡単なんです。
まず、カッターの刃を長めに出して、板と板の間の溝(裏面の布部分)に刃を入れます。そしてスーッと引くように切っていきます。この時、木材そのものを切るわけではないので、大きな力は要りません。これなら女性一人でもサクサク進められます。
いきなり全部バラバラにするのではなく、まずは幅30cm〜50cmくらいの「短冊状(細長い棒状)」に切り分けるのがポイントです。この状態になれば、丸めることも畳むことも容易になり、扱いやすさが格段に向上します。
ノコギリでの横切り解体を成功させる技
さて、ここからが正念場。「横切り」、つまり木の板の繊維を断ち切る作業です。短冊状になったカーペットを、自治体の規定サイズ(30cm〜50cm)の長さに合わせて、ノコギリで切断していきます。
ウッドカーペットの中身(MDFや合板)は密度が高く、硬い接着剤も使われているので、普通の角材を切るより手強い場合があります。以下のコツを意識してください。
- 台を使う:お風呂の椅子や、古雑誌の束などを2つ用意し、その間に板を渡して「橋」のような状態にします。切る部分を浮かせないと、ノコギリが床に当たって傷つきますし、何より力が入りにくいです。
- 引く時に力を入れる:日本のノコギリは「引く」時に切れるように作られています。押すときは力を抜き、手前に引くときにグッと力を入れましょう。ゴリゴリ押しても疲れるだけです。
- 無理にカッターで切ろうとしない:ネット上には「カッターで切れる」と謳っている商品もありますが、それはあくまで継ぎ目の話。板そのものをカッターで何度もなぞって切断しようとすると、刃が折れて飛んでくる危険があります。横切りは必ずノコギリを使ってください。
作業中は大量の木屑が出ます。室内なら養生を完璧に、できればベランダや庭などの屋外での作業を強くおすすめします。マスクと軍手の着用もお忘れなく。
買い替えはELEMENTSの利用がおすすめ
ここまで読んで「うわ、捨てるのってこんなに大変なの…もうウッドカーペットなんて懲り懲りだ」と絶望した方もいるかもしれません。でも、畳の部屋を安くおしゃれなフローリング調にできるあの魅力は、やっぱり捨てがたいですよね。
もし新しく買い替える予定があるなら、私はDIY・床材専門店の【ELEMENTS(エレメンツ)】をおすすめしたいです。
なぜなら、ELEMENTSには「2枚敷き(分割タイプ)」のウッドカーペットが充実しているからです。例えば6畳用でも、最初から真ん中で分かれている2枚セットを選べば、1枚あたりの重量は半分(約10kgちょっと)になり、梱包サイズもコンパクトになります。これなら、女性一人でも搬入できますし、次回の処分の際も、搬出や切断の労力が劇的に減ります。
さらに、有料ですが「オーダーカット」サービスも充実しているので、最初から部屋の柱や変形に合わせてプロにカットしてもらえば、自分で切る手間もゴミも出ません。現場視点で見ても、設置後のことだけでなく「後の処分」のことまで考えて作られている商品は本当にありがたいですね。
計画的にウッドカーペットを廃棄しよう
ウッドカーペットの廃棄は、事前のリサーチと準備が9割です。「なんとかなるだろう」で引越し当日に挑むと、その重さと硬さに返り討ちに遭い、最悪の場合、処分できずに新居に持っていく羽目になります。
体力に自信があって道具が揃っているなら「自力解体」、少しお金がかかっても楽をしたいなら「粗大ごみ(長さ制限に注意)」、どうしても運べないなら「回収業者」。ご自身の状況に合わせて、最適な方法を選んでください。
そして、次に買うときは「捨てやすさ」まで考えて商品を選ぶ。これがDIYを長く楽しむための賢い知恵ですよ。

