ニトリにおけるウッドカーペットのオーダーカットについて考察

ウッドカーペット

「引っ越し先の和室を、手軽にオシャレな洋室に変えたい!」
そう思い立って、ニトリの店舗やネットストアでウッドカーペットを眺めているあなた。今、まさに「この商品は自分の部屋のサイズに合わせてカットしてもらえるのだろうか?」という疑問をお持ちではないでしょうか。

実は私自身、畳職人として15年、その後リフォーム業界で10年、計25年にわたり日本の「床」と向き合ってきました。その経験の中で、ウッドカーペットのサイズ問題で泥沼にはまってしまったお客様を数え切れないほど救出してきました。「たかが数センチ、自分で切れるだろう」という軽い気持ちが、休日の数時間を奪い、さらには購入したばかりの商品をゴミに変えてしまう悲劇を、もうこれ以上見たくありません。

この記事では、業界の裏側を知る私の視点から、ニトリ製品の加工の実態と、失敗しないための「最適解」を、包み隠さず誠実にお伝えします。プロの視点といっても、難しい専門用語は使いません。友人のお父さんに相談するような気持ちで、リラックスして読み進めてくださいね。

  • ニトリではウッドカーペットのサイズ加工(オーダーカット)ができない理由と背景
  • ホームセンターへの持ち込みカットや、自力でのDIYカットに潜む危険な落とし穴
  • 変形した部屋や柱のある部屋に完璧にフィットさせるための「専門店」活用術
  • 購入前に絶対に知っておくべき「部屋の採寸方法」と「古いカーペットの処分問題」

ニトリのウッドカーペットはオーダーカットできるか検証

「お、ねだん以上。」のキャッチフレーズでおなじみのニトリ。家具から日用品まで何でも揃うイメージがありますが、ウッドカーペットという特殊な商材に関しては、少し事情が異なります。まずは、皆さんが期待している「ニトリでのカットサービス」の現実と、そこに立ちはだかる壁について、現場の知識を交えて詳しく解説していきます。

ウッドカーペットの専門店【ELEMENTS】なら寸法カットに対応

公式によるサイズ加工サービスの現状

まず、結論を単刀直入にお伝えしなければなりません。ニトリでは、ウッドカーペットの「オーダーカット(サイズ加工)」サービスは原則として行われていません。
「えっ、でもニトリのサイトで『カット加工』っていう言葉を見た気がするけど?」と思われた方もいるかもしれませんね。それはおそらく、布製の「カーペット(絨毯・ラグ)」を対象とした「カットロック加工」というサービスのことを指しています。これは、丸巻きの絨毯を指定サイズに裁断し、切り口がほつれないように糸で縫い合わせる(オーバーロックする)サービスであり、木材を主原料とするウッドカーペットは対象外なのです。(ちなみに、GoogleのAIによる回答でもウッドカーペットがカット出来ると出てましたが、調べてみると布製ロールカーペットでした。)

なぜニトリでは対応していないのでしょうか?それは、ニトリのビジネスモデルが「規格品を大量生産・大量販売することで低価格を実現する」という点にあるからです。ウッドカーペットのカットには、専用の大型木工機械と、熟練した職人の手間が必要です。これを全国の店舗や配送センターで個別に受けていては、あの安さを維持することができません。ニトリのウッドカーペット(主に「クラウドIV」シリーズなど)は、あくまで「江戸間」「団地間」といった既定のサイズパッケージとして販売されている完成品です。「部屋の幅が255cmだから、260cmの商品を5cmだけ切って配送してほしい」とお願いしても、システム上対応できないのが実情なのです。

注意点
一部の「ハサミで切れる」と謳われている薄手のフロアシートや、ジョイントマット(パズルのように組み合わせるタイプ)は自分で調整可能ですが、これらは厳密には「ウッドカーペット(一枚板のように敷き詰める床材)」とは構造が異なります。本物のフローリングのような重厚感や耐久性を求める場合、MDF製の厚手ウッドカーペットが候補になりますが、これはニトリでのカットは不可と考えて間違いありません。

ホームセンターへの持ち込みカット可否

「ニトリでカットできないなら、商品を買ってそのまま近くのホームセンターに持ち込めばいいじゃないか」
そう考えるのは非常に自然な発想です。私のお客様でも、そうやって解決しようとした方がいらっしゃいました。しかし、この作戦は99%の確率で断られると思っていただいた方が無難です。

ホームセンターの木材カットサービスは、基本的に「その店舗で購入した木材」に対する付帯サービスです。持ち込み品(他店購入品)の加工は、万が一失敗した際の弁償責任が負えないため、ほとんどの店舗でお断りしています。また、仮に持ち込みOKな太っ腹な店舗があったとしても、ウッドカーペットという素材の特殊性が壁になります。

ウッドカーペットは、MDF(中密度繊維板)や合板の裏に、綿布や不織布が強力な接着剤で貼り付けられている構造をしています。この「布」や「接着剤」が厄介なのです。ホームセンターのパネルソー(大型切断機)は、純粋な木材を切るために調整されており、布やゴム、強力な接着剤が含まれる複合材を切ると、刃にヤニが付着して切れ味が落ちたり、最悪の場合は刃が欠けてしまったりするリスクがあります。高価な機械の刃を守るため、係員さんは「ウッドカーペットのカットはお受けできません」と断らざるを得ないのです。無理に頼み込んで切ってもらったとしても、専用の刃ではないため断面がバリバリに割れてしまい、使い物にならなくなる可能性が高いですね。

6畳の団地間や江戸間にあるサイズ違い

ウッドカーペット選びで最も悲劇的な失敗、それは「部屋の畳数だけで判断して購入してしまうこと」です。私が畳屋時代に最も苦労したのが、この「畳のサイズ、バラバラすぎ問題」でした。
皆さんは「6畳」といえば、全国どこでも同じ広さだと思っていませんか?実は、日本の住宅には歴史的背景や地域性により、全く異なる「6畳」が存在します。

規格名称一般的な寸法(6畳)特徴と注意点
江戸間
(関東間)
約 261cm × 352cm関東以北や、一般的な木造アパート、建売住宅で最も多く採用されている規格です。ニトリの標準サイズもこれが基準になっていることが多いです。
団地間
(公団サイズ)
約 243cm × 345cmUR都市機構(旧公団)や、昭和期に建てられた鉄筋コンクリート造の集合住宅に多いサイズ。江戸間よりもひと回り小さいのが特徴です。
本間
(京間・関西間)
約 286cm × 382cm関西地方や、格式高い伝統的な日本家屋で見られます。江戸間よりかなり広く、ニトリの江戸間サイズを買うと寸足らずで大きな隙間ができます。

ここで起こりうる最悪のシナリオは、「団地間」の部屋に住んでいるのに、「江戸間」のウッドカーペットを買ってしまうことです。表を見ていただくと分かりますが、幅で約18cm、長さで約7cmもカーペットの方が大きくなります。木製のカーペットは絨毯のように折り曲げることができないので、部屋に入りきらず、波打って浮き上がるか、そもそも敷くことすらできません。この「入らない数センチ」を処理するために、次にお話しする地獄のDIYカットに挑む羽目になるのです。

オーダーカットならウッドカーペット専門店へ

自分でカットして失敗してしまう原因

「サイズが合わないなら、自分で切ればいいや」
ホームセンターでノコギリを買ってきて、休日の朝から作業を始めたものの、昼過ぎには絶望的な気分になっている……。そんな光景を私は何度も想像してきましたし、実際に相談を受けたこともあります。

ニトリの主力商品である「クラウドIV」などに使われている素材は、MDF(中密度繊維板)というものです。これは木の繊維を接着剤で固めて圧縮したボードで、表面は非常に硬く、中は密度が高いのが特徴です。これを素人が手作業で切断しようとすると、以下の3つの壁にぶつかります。

  1. 硬すぎて切れない: MDFは天然木よりも接着剤の分だけ硬く、摩擦熱を持ちやすい素材です。安物のノコギリではすぐに刃がなまってしまい、数センチ進むだけで腕がパンパンになります。2メートル以上ある長辺を切り落とすのは、大工仕事に慣れた私でも「やりたくない」作業の一つです。
  2. 真っ直ぐ切れない: フリーハンドで長い距離を一直線に切ることは、プロでも至難の業です。どうしても刃が左右にブレてしまい、切り口が波打ってしまいます。これを部屋に敷くと、壁との間に不均一な隙間ができ、見た目が非常に悪くなります。
  3. 表面がボロボロになる(バリ): 表面の美しい木目プリント(化粧シート)は非常にデリケートです。ノコギリの刃を引くたびに、シートがバリバリと剥がれてしまい、切り口が白く毛羽立ってしまいます。これが靴下やストッキングに引っかかり、怪我の原因にもなりかねません。

ノコギリを使うDIYと生じる隙間対策

それでも、「もう買ってしまったからやるしかない」という方のために、プロとして最低限のアドバイスをさせていただきます。
まず、道具選びが命です。100円ショップのノコギリは論外です。必ずホームセンターで胴付きの「パネルソー用」または「精密細工用」の、刃のピッチ(ギザギザの間隔)が細かいノコギリ(ゼットソーなどが有名です)を購入してください。刃が荒いと、MDFの切断面が爆発したように崩れます。

次に、板の目(スリット)に沿って切る「幅方向のカット」は比較的簡単です。板と板の間の布部分にカッターを入れれば切れます。問題は、板を断ち切る「長さ方向のカット」です。これを行う際は、定規となる板を当てて、ノコギリが左右に逃げないようにガイドしながら、力を入れすぎずに少しずつ引いてください。表面には予めマスキングテープやガムテープを貼っておき、その上から切ることで、化粧シートの剥がれ(バリ)を最小限に抑えることができます。

そして、どうしても生じてしまった切り口のガタつきや、壁との隙間。これを隠すには、「幅木(はばき)シール」「コルクテープ」、あるいはホームセンターで売っているL字型のアングル材を両面テープで貼って隠すのが定石です。ただ、どれだけうまく隠しても、やはり工場でスパッと切断された断面の美しさには敵いません。「労力に見合う結果が得にくい」というのが、ウッドカーペットのDIYカットの現実なのです。

ニトリのウッドカーペットよりオーダーカット専門店を推奨

ここまで、ニトリ製品を無理やり合わせることの難しさをお話ししてきました。では、規格サイズに合わない部屋に住んでいる人はどうすればいいのでしょうか?
答えはシンプルです。最初から「加工することを前提にサービスを提供している専門店」を選ぶことです。私が個人的に信頼しているのが、ウッドカーペット専門店の【ELEMENTS】のようなショップです。ニトリの実店舗で買う手軽さも魅力ですが、ネット通販の専門店は、まさにこの「サイズ問題」を解決するために進化してきたと言っても過言ではありません。

ELEMENTSのオーダーカットと評判

【ELEMENTS】をはじめとするネット上のウッドカーペット専門店では、有料オプションとして「オーダーカット」というサービスを提供しています。これは、巨大な工場用パネルソーを使って、プロの職人が指定した寸法にミリ単位(注文指定は1cm単位が多いですが、精度は高いです)でカットしてくれるサービスです。

このサービスの最大のメリットは、「届いたら敷くだけ」という手軽さです。自分でノコギリを引いて汗だくになる必要も、切り口のバリで指を切る心配もありません。ネット上の口コミを見ても、「1800円程度のカット代をケチらずに頼んで本当によかった」「部屋の四隅にピッタリ収まって感動した」という声が圧倒的です。私自身、お客様に代わって手配することもありますが、その仕上がりはDIYとは雲泥の差です。切断面には防腐処理やバリ取りが施されており、最初からそのサイズで作られたかのような一体感があります。(但しくり抜きや、R型、斜めなどの特殊な形のオーダーカットには対応していません。)

ここがポイント
カット料金は1カットあたり1,800円程度(2026年1月時点)です。DIYのために専用のノコギリや定規を買い揃え、失敗して買い直すリスクまで考えれば、この出費は決して高い投資ではありません。(因みにホームセンターで胴付きノコギリや定規を購入するだけで3,000~4,000円ほどします)。まさに「安心と時間を買う」賢い選択だと言えるでしょう。

オーダーカットならウッドカーペット専門店へ

カッターで切れる素材にあるメリット

「オーダーカットを頼むほどではないけど、微調整はしたい」「柱の位置が複雑すぎて、図面を書くのが面倒」という方には、もう一つの選択肢があります。
ELEMENTSなどの専門店が扱っている商品の中には、MDFではなく、合板ベースで薄く作られた「カッターナイフで自分で切れる」シリーズ(例:ST-200シリーズなど)が存在します。

これは一般的なMDF製ウッドカーペットよりも厚みを抑え、柔らかい素材を使用しているため、大型のカッターナイフで数回切り込みを入れれば、パキッと折るように切断することができます。これなら、現地で「あと5mmだけ切りたい!」という微調整も可能ですし、複雑な柱の形に合わせて少しずつ削っていくことも容易です。ニトリの硬いMDF製品でこれをやろうとすると日が暮れますが、DIY対応型の製品なら女性一人でも十分に施工可能です。「自分でやる楽しみ」を残しつつ、難易度を劇的に下げられるこのタイプは、DIY初心者の方に特におすすめですね。

柱や変形に対応する加工技術の詳細

日本の住宅、特にマンションでは、部屋の四隅に太い柱(梁)が出っ張っていることがよくあります。この「L字型」や「コの字型」の欠き込み加工こそ、専門店の真骨頂です。
ニトリの既製品では、柱の部分だけカーペットを折り曲げることはできませんので、柱の部分を避けて敷くと、逆に部屋の反対側に大きな隙間ができてしまいます。

専門店のオーダーカットでは、ユーザーが作成した簡単な図面に基づいて、柱の部分を切り抜く加工を行ってくれます。図面といっても、建築士が書くような立派なものは不要です。手書きのメモに「上辺350cm、右辺260cm、右下の柱が20cm×20cm」といった数値を書き込み、スマホで撮影してメールやFAXで送るだけで対応してくれるショップがほとんどです。

プロの視点
柱周りのカットは、自分でやると直角が出せずに隙間ができやすい難所です。機械加工なら「入隅(いりずみ)」と呼ばれる角の部分も美しく処理され、強度も保たれます。この「柱逃げ加工」ができるかどうかが、既製品とオーダー品の決定的な差ですね。

注文から納品までにかかる料金と流れ

では、実際にオーダーカットを利用する場合の具体的なステップをご紹介しましょう。初めての方でも、以下の流れを押さえておけばスムーズです。

  1. 採寸(最重要): 部屋の実寸を測ります。この時、部屋の端・中央・もう一方の端と、最低3箇所で測ってください。壁は意外と歪んでいるものです。そして、発注サイズは「実寸の最小値から1cm(10mm)差し引いたサイズ」にするのが鉄則です。ピチピチに作ると、湿気で木が膨張した時に壁に当たって浮き上がってしまいます。
  2. 商品選びとカート投入: 希望のウッドカーペットをカートに入れます。
  3. カット券の購入: 同じショップ内で「オーダーカット券(チケット)」を検索し、加工内容(2辺カット、変形カットなど)に合わせてカートに入れます。
  4. 図面の送付: 注文完了後、ショップからメールが届きますので、そこに寸法や図面を返信します。
  5. 納品: 通常の配送期間に加えて、加工期間(3日〜1週間程度)がかかります。余裕を持って注文しましょう。

料金の目安としては、単純なサイズ調整(2辺カット)で3,000円〜4,000円プラス、柱などの変形加工でさらに追加料金がかかるイメージです。総額で2万円〜3万円程度になりますが、リフォーム業者にフローリング張り替えを頼めば10万円〜20万円コースですので、それに比べれば圧倒的なコストパフォーマンスです。

購入後の回収や処分に関する注意点

最後に、意外と見落としがちな「出口戦略」、つまり処分のことについてお話ししておきます。
ウッドカーペットは大型で重量があるため、捨てる時が一番大変です。ニトリには「家具引取サービス」がありますが、これは「配送員が設置する大型家具(ベッドやソファなど)」を購入した場合に同等品を引き取るものであり、基本的に玄関先渡しとなるウッドカーペットは対象外となるケースが多いです。

古いウッドカーペットを処分する場合、最も一般的なのは自治体の「粗大ゴミ」として出す方法です。数百円〜千円程度の手数料で回収してくれます。これを節約しようとして、ノコギリで細かく切断し、可燃ゴミの袋に入れようとする方がいますが、先ほどお話しした通りMDFの切断は重労働です。解体に半日費やす労力を考えれば、粗大ゴミ回収を依頼するのが賢明です。
また、専門店で新しいカーペットを買う際も、古いカーペットの引き取りサービスを行っているところは稀です。購入前に必ず、お住まいの自治体の粗大ゴミルールを確認し、処分の目処を立ててから注文することを強くおすすめします。

ニトリのウッドカーペットとオーダーカットの総括

今回は、ニトリのウッドカーペットにおけるオーダーカットの可否と、それに代わる賢い選択肢について考察してきました。
結論として、ニトリ製品は「規格サイズ(江戸間など)が偶然にもピッタリ合う部屋」にとっては、安くて即納される最高の選択肢ですが、サイズ調整が必要な部屋にとっては、茨の道となる可能性が高いです。

「たかが床、されど床」です。床は部屋の中で最も面積が広く、インテリアの印象を決定づける重要な要素です。無理にDIYで挑んで、ガタガタの切り口や隙間を見るたびに後悔するよりも、最初からオーダーカットに対応した【ELEMENTS】のような専門店を選び、プロの技術で仕立てられた「シンデレラフィット」の快感を味わっていただきたいと、心から思います。結果的にそれが、時間もお金も、そして何よりあなたの労力も節約できる「賢い選択」になるはずです。

この記事が、あなたの快適な部屋作りの一助となれば幸いです。ぜひ、足元から生活を変える第一歩を踏み出してみてくださいね。

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